【株式会社日本リスクマネージメント(JRM) 】 海外旅行トラブルニュースNo.23
 
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 お守りが役立つ時 海外旅行保険
[目次]
過労は万病の元治療・救援費用担保特約
海外医療支援協会 酒井 悦嗣

     
 
過労は万病の元
 
     

 2001年から2005年の5年間は、いわゆるグローバル化の荒波が企業を襲い、ことの良し悪しは別として企業と、それを取り巻く環境が大きく変わらざるを得なかった期間である。他方、少子化の影響からか、中高年でも出張・駐在赴任渡航が増加してきている。因みに1994年対2004年の男性渡航者数の全渡航者に対する割合の比較では、20代が15.3%対14.3%と減少傾向であるが、50代は15.9%対21.2%と大幅増加傾向である。(法務省出入国管理統計)

 リストラと競争激化で勤務環境がハードになり、担務する業務の質と量が変わってもやはり人々は頑張っているのである。カーエレクトロニクスメーカーに勤務するY氏(52才)は、人間ドックで高血圧と高脂血症でメタボリックシンドロームといわれていたが、生活習慣は変えることが難しく、男の厄年は終わったから大丈夫であろうと思っていた。3年間の米国駐在が昨年終了し、久しぶりに家族との生活に戻っていたが突然ロサンゼルス出張を命じられた。現地で問題が発生し、事情がよく分かっているY氏に対処の白羽の矢が刺さったのであった。Y氏は、緊急に渡米して原因調査実施と対策を講じ、自ら顧客対応を行い、凡そ2週間で解決の目途をつけた。頑張りつづけてようやく帰国の途についたY氏であった。ビジネスクラスの機内でワインをあおるように飲み、寝不足を回復するように深い眠りについた。数時間の後、目が覚めるとアンカレッジ付近であったが、喉が渇いたのでビールを頼み、機内食を食べ始めた。ビールは美味く、空腹であったため食事も進んだ。その直後Y氏はテーブルに突っ伏すように倒れた。

 そのとき、横の座席にいた人がY氏の様子の変化に気づいて機内アテンダントを呼んだ。

 隣席の米国人男性は、食べ物を喉に詰まらせたと思ったらしい。機内アテンダントはY氏を通路に横たえ、口から食べ物を取り出したが、弱い呼吸があったため窒息したのではないと判断し、機長に報告をした。機長は、Y氏が意識不明であることとその状態を考慮し、アンカレッジ空港への緊急着陸を決めた。空港では救急車が待っていて、そのまま空港近くの病院のERに運ばれた。検査と応急処置が行われた結果、原因は「蜘蛛膜下出血」とのことであった。Y氏は重篤な状態が続き、2日後日本からY夫人と長男I氏が救援に駆けつけたが、主治医は、「呼吸の状態が低下しつつあるので近いうちに脳死判定の時が来る。」と説明した。その翌日、Y氏は家族に看取られながら息を引き取った。Y夫人は、「長いこと働いてリストラの嵐を超え、単身赴任も乗り越えて、やっとこれからと思っていたのに・・・。」と泣き崩れた。

 保険会社の対応は、ご家族と共にY氏の帰国搬送の手配を行い、ご自宅までお届けして終了した。本件は、生活習慣病と過労と飲酒が重なって発病したものと推測されるが、その要件のどれかが欠けていたら発病まで至らなかった可能性がある。そう考えるとY氏の死は、寿命などではなく、人災のように思えてならない。ある程度の年齢からは、太りすぎに気をつけることも必要であるが、最も大切なことは疲れ過ぎないように考えることであり、そうすることで少しでも長生きが出来るのではないだろうか。

  『過労は万病の元である。』

 


海外旅行傷害保険企業包括契約/治療・救援費用担保特約


Quick Study !

ワンポイントレクチャー
<お支払いできる主な場合>
  • 傷害治療費用
    海外旅行中のケガが原因で医師の治療を受けたとき

  • 疾病治療費用
    海外旅行中に発病した病気、又は海外旅行終了後72時間以内に発病した病気で、その72時間以内に医師の治療を開始したとき

  • 救援費用
    ケガの場合事故の日から180日以内死亡したとき
    疾病の場合は発病の日から30日以内に死亡したとき
    3日以上入院したとき

     (詳しくは、ご加入の保険約款をご参照ください。)

Q & A
Q::
『治療・救援費用』と、従来の治療費特約、救援者費用特約など個別に入るものとはどこが違うのですか?
A::

『治療・救援費用』は、支払い対象が治療費用、救援費用のどちらか一方でも両方でも保険金額まで使えます。従って高額で加入した場合には、必要に応じてチャーター機での緊急搬送も可能となります。他方、個別に加入したものでは、治療費か、又は救援費用かどちらかだけで保険金額まで使えることになります。片方の保険金額に余りがあっても他へ充当することは出来ません。

Q::
保険金額はいくらまで入れますか?
A::

はい、企業包括契約では、1500万円から5000万円までの間で加入可能です。2000万円までは100万円刻み、2000万円から5000万円までは500万円刻みでご加入いただけます。




2006/7/18

つづく

[目次]
過労は万病の元治療・救援費用担保特約


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